店内売上が伸びても、人時生産性が落ちる店の数字の見方

店内売上が伸びていても、店舗全体の人時生産性が改善しているとは限りません。売上の範囲と比較期間をそろえ、同じ範囲の労働時間で割る必要があります。

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店内売上は前週比16.1%増、店舗全体の人時生産性は18.5%減

ある店舗の週次集計では、店内・店頭売上が前週比16.1%増えていました。一方、デリバリーを含む店舗全体の売上は10.1%減り、実労働時間は10.4%増加。店舗全体の売上を実労働時間で割った人時生産性は、18.5%下がっていました。

ここで比較しているのは前年ではなく前週です。また、16.1%増は店内・店頭だけの数字であり、店舗全体の増収を意味しません。伸びた売上区分だけを見ると、全体の変化を見落とします。

売上と労働時間の集計範囲をそろえる

人時生産性は、対象期間の売上を、同じ期間・同じ業務範囲の実労働時間で割って求めます。店内売上だけを分子にして、デリバリーの調理も含む全員の労働時間で割ると、何を測っている指標なのかが曖昧になります。

まず店舗全体の売上と実労働時間を並べ、前週と同じ条件で比較します。そのうえで売上区分、曜日、時間帯に分けると、売上の減少と人員配置のどちらを確認すべきかが見えてきます。

数字を使う前に、欠損と計算方法を確認する

時給の未設定や入力漏れがあると、概算人件費が実際より低く表示されることがあります。人件費率を見て判断する前に、時給・勤務時間・売上の対象期間がそろっているかを確認します。

補完した値は実績と区別して示します。実労働時間とシフトの不足枠も分け、予定と実績を混ぜないことが大切です。

誰が、何を決めるために見るのか

レポートには、数字と一緒に判断する人とタイミングを決めておきます。日次の仕入や人件費を見て発注を変えるのか、週次の人時生産性を見てシフトを組み替えるのか、月次の営業利益を見て投資を判断するのか。判断に必要な範囲で数字を届けます。

「店内は伸びている」という事実と、「店舗全体の生産性は下がっている」という事実は両立します。良し悪しを決める前に、比較期間と集計範囲をそろえることから始めてください。

数値は当社で作成した店舗の週次レポートに基づく匿名事例です。個別店舗や時期を特定する情報は掲載していません。増減率は丸めており、飲食店全体の平均や効果を示すものではありません。

株式会社Core Driven 吉田 柾長
飲食企業の経営管理、マーケティングと業務代行を支援しています。
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著者:(株式会社Core Driven 代表取締役)

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